翔べ麒麟
いづれの御時にか
少し前に読み終わっていたのですが、
この本読みました。
途中に昨日の復習もいれておきます。
本当に、辻原登の小説はすごい。

歴史的な客観的事実を
うまく、もりこませながら、
それぞれの、人間の描写が
とても魅力的にかかれ、
その魅力的な人間の
おりなす、物語が、すばらしい。
さらに、細かい、デティールが
こりすいない程度にうまくかかれ、
冗長なところがない。

恋愛あり、冒険あり、
奈良時代の日本からの遣唐使を軸に、
阿倍仲麻呂、玄宗皇帝、安禄山、楊貴妃、吉備真備などと
李白,杜甫まででてくる。
無名の日本人留学生 真幸の活躍もおもしろい。
阿倍仲麻呂というと、
遣唐使で唐にわたり、科挙に合格し、
玄宗皇帝に重用され、
側近として仕えたのち、
日本帰国を許されたものの
ベトナム方面に漂着し、
帰唐し、
ベトナム方面の管理者になり、
71歳まで、生きた人と
あまのはら、ふりさけみれば、春日なる、三笠の山も、いでし月かも
という歌はあまりにも有名。
杜甫、李白と親交があったのも有名。

あんろくさんや、楊氏ともわたりあったのだろう。
そういう意味では、
ここで、書かれる阿倍仲麻呂の
官僚としての強さというのは、
実際、玄宗皇帝に重用されるには、
単純に優秀といういうだけではない
人間としての魅力などにあふれた人だったのだろう。
僕のなかでの、
阿倍仲麻呂のイメージが根底からかわる作品で、
楽しい小説でした。下巻の絵がきれい。

そういえば、先月の芸術新潮はこんな特集やったよな。この人も濃いよね。

このトマトジュースは濃厚です。

この本を読み終えた頃

食べたたけのこすし

by zuitoshou | 2012-05-10 06:29 | 読書、歴史