浪速魚菜にあまから手帖の読者参加枠-こんな形で 上野修三さんの料理を楽しめるとは-淀鯉と独活と若牛蒡
浪速魚菜にあまから手帖の読者参加枠-こんな形で 上野修三さんの料理を楽しめるとは-淀鯉と独活と若牛蒡
今日から、また、ブログ続けます。
できること、通常通りに生活しはじめることです。
今は昔となりましたが、、、確か2月の終わりか、3月の初めに
以下のようなお誘いメイルがありましたので、
あまから手帖です。
浪速料理研究家として知られる、『喜川』元店主・上野修三氏が中心となって
大阪料理を考える『浪速魚菜の会』。毎月、浪速の伝統食材を使った試食会が
行われ、生産者、料理人の交流・勉強を兼ねた活動をされています。
今回『あまから倶楽部』会員に特別枠をいただき、試食会に参加できることに
なりました!!
3月のテーマは「淀鯉(天然)」と初春のなにわ伝統野菜。
天下にその名を知らしめる、浪花名物尽などにおいて錦絵にもなっている淀川
の鯉。今ではその真味をしることはできないとされてきましたが、淀川の浄化
が進んだこともあり、復活の兆し!!
今回特別に上野氏が「淀川の鯉」を調達して料理を振るいます。
今回の定例会では、一般にブランドとなっている信州の佐久鯉(養殖)との食
べ比べなども予定されています。またとない機会に是非応募ください。
早速、応募、
今までは、あたったことはなかったのですが、、
下記のようなメイルが
あまから手帖です。
この度「淀川の鯉」を食す会にご応募いただき誠にありがとうございました。
抽選の結果、ご当選された旨お知らせいたします。場所は一心寺の研修会館
というわけで、3月13日の日曜日に行ってきました。
実は、私の結婚式、随分前ですが、ホテルニューオータニでしたのですが、
一心寺の長老の高口恭行様は彼女(奥さん)の主賓だったので、なじみがあります。
高口先生は建築家(京大建築卒業)でもあります。一心寺の仁王門。
研修会館がどこかわからず、ガードマンにきいて
一心寺の三千仏堂によりまして
やっとたどり着いた。
上野修三さんは、老舗の大阪料理仕出の店「川喜」で修行を始め、同店料理長を経て独立。法善寺横町に割烹「喜川」を、四天王寺に「天神坂上野」を営んでいたが、料理人としては引退し、「喜川」を長男に託している。という紹介ですが、引退されていて、食することが不可能なわけで、一度、食べてみたいと思っていたので、光栄な機会をえました。
しかし、無茶苦茶、雰囲気がありますねえ。
料理人のオーラでまくり、
最近では、このようなオーラは高橋尚子以来です。
この写真の左が淀鯉です。鯉の写真トルの忘れました。
お手伝いによくいかせてもらって、大好きな料理人の一人、弧柳の松尾君が、、
最初のメニューと実際のメニューも違う。
こういうのは、どんどん、インスピレーションが湧き
その裏打ちされた膨大な経験と
新たな状況への冒険心とが、
刻々と、頭脳を刺激するに違いない。と思いました。
このあたり、少し、形成外科の手術に似たような所があります。これが前のメニュー
正直、鯉の洗いと鯉こくぐらいしか食べた記憶がない。
それほど美味しいと思った記憶もない。。鯉ですが、、
というか、淀川の鯉。食べて大丈夫という疑問もありながら、、
これが実際のメニューです。
最初に環境農林水産水産生物センター??(長くて、あとで調べる気にもならずすいません。)
の上原さんから、
淀川の環境に関するレクチャーがありました。
淀川の2種の天然記念物 アユモドキとイタセンパラ
淡水魚は昔の稲作とつながっていたので、
身近な食生活として、淡水魚は食文化として本来は伝統的で、
長野の佐久ではスーパーで鯉が売られている。
(宮崎で馬の肉が売られているのと同じか)
佐久では、洗って、売っていたらおこられるとか。
佐久の鯉はもともと淀鯉をもっていったものとか、
川魚を食べないことが、川の汚染に気をつけずにになり、
川の汚染につながるとか。。勉強になるわ。。
鯉は生命力強い。。1日おいても大丈夫なので、輸送に適する。
(たしか、鱧もしぶといはずでした)
大きい河川の鯉はおいしく。淀鯉は珍重された。
今は、鮎もすめるし、水温さえひくければ鱒も住めるということでした。
今回の鯉は淀川の寝屋川あたりの鯉とのこと。
彼は鯉とり名人だそうです。。
東京立川独活と大阪三島独活
東京独活が丸い方、大阪独活が短冊状のもの
三島独活は食べなれた味でさっぱりしています。これも、丸くきるか、まっすぐきるかで、繊維の方向が違うから
違った味になるのかしら。。ちなみに、独活の大木といいますが、、独活は僕は好物です。味がないという人がいますが、この微妙な味の具合が、大好き。独活はうどのことですよ。。。
前菜 梅一輪
牛蒡葉の青煮
鯉腸の焼き味噌
鯉の糀熟鮨(こうじ)
牛蒡の葉を少し炒めて煮たようです。刺激感もなく、おいしい始まり。ごはんがほしい。
鯉の腸、白子などに骨の間の身をつぶして、味噌にませて、竹につけてやく。無茶苦茶おいしいです。鯉のこうじのなれずしに柚子の香り
和合物
三島独活の皮、蒟蒻(こんにゃく)菊菜、木綿豆腐の白和えに松実
独活の皮まで使う、始末の大阪料理の真髄なのか、その独活の皮のさっぱり感に、蒟蒻の細さ、、やわらかい菊菜の食感に白和えのさらに、柔らかい食感が混ざって、口の中で、溶けるような感じの白和えです。それに、松の実を混ぜると、しっかりした食感と香りがたち。。。。おいしい。
割鮮1(佐久の養殖鯉(メス)、淀鯉50cm オス)
鯉の洗い造り、三色打野菜、ウイキョウ、山葵菜ドレッシング
メインの淀鯉です。食べ比べです。右が淀鯉。しっかりとした身と、かむとやや抵抗があって、旨いという感じ。養殖の佐久の鯉は、すこし、身のほぐれやすく、いい意味ではさっぱり、悪い意味ではぱさっとした感じ。山葵菜のドレッシングをかけると、素材感はうすれますが、どちらも、旨みが増した感じです。
上野さんのレクチャーです。鯉は宮中の包丁式でも使われていて、マダイ以上に珍重されたということ。鯉の旬は春から秋だそう。細川勝元は鯉料理に精通していて、よどの鯉は酒にひたしてもにごらない。他のところのものは濁るという。鯉はよど鯉が一番といったとか。。徒然草に鯉を食べると髪の毛がばさばさにならない。鯉は宮中に出だすもので、あーやっぱり、魚は鯉が一番みたいな話があるそうです。割鮮の説明されていたけど、聞いてなかった。
帰って、徒然草を調べると、118段に鯉の羹食ひたる日にはという段があるそうです。このなかに、膠をつくりたるとあるので、鯉はやっぱり、コラーゲンは多いのでしょうね。。
漱汁
昆布澄汁仕立て、短冊独活、そぎ梅
これは、純粋に、生ものと生もののあいだの漱ぎのためのものですね。昆布の出しのさらっときいた、どちらかというと、薄すぎるほどの味です。次の料理の準備でしょうね。
割鮮2(佐久の養殖鯉(メス)、淀鯉50cm オス)
鯉の細曳き造り、鯉の卵、野蒜、独活、辛子酢味噌
こちらも右が淀鯉です。辛子酢味噌をつけると、同様に素材感がへりますが、、、この辛子酢味噌は、、めちゃくちゃおいしいです。野蒜はまいてあります。。野蒜自体は、縁起物ですね。。鯉の卵は、味はにないですが、食感がでます。
上野さんから説明。。鯉自体も黄河の竜門をさかのぼって、こえたものは竜になるということで、登竜門ということだそうです。勉強になるわ。。出世魚なんですね。だから、野蒜もあわせる。日本料理は文化ですね。。。さらに、教えてくださったのは、ただ、鯉は結婚式には使わない。鯉にはこどどめののひれというのがあって、子をとどめるということで、子をうまないということで、結婚式には使わない。ただし、鯉を食べるとよい乳がでるなど、出産したら、食されたようです。
炊き合わせ
鯉の八朔醋煮、鯉鱗せんべい、三色野菜餡(あん) 三島独活白煮、芹霞とじ(かすみ)針生姜
鯉をあげて、野菜の甘酢餡に八朔がはいっている。八朔のほろ苦い酸味が甘いだけでなく、奥行きのある味になります。さらに、三島独活の食感。針生姜は本当に針のように、酸味と違う、生姜の風味が、味を占めるかんじです。芹をメレンゲであわだて、、、なんかわからないですが、ぱらぱらとかっかているのが、それ、、、それが、淡雪の散っているように仕上げているということ。。日本料理の真髄にふれる料理だと思います。味が、甘酢なのに、八朔の酸味と甘み、生姜の風味、独活の食感、鯉をあげたことで、ぱっりとした感じと香ばしさが、、、幾重にもなって。。
中猪口
独活、飯蛸、梅肉あん、軸三つ葉
これも、おいしいですが、どちらかというと、口の中がさっぱりするように仕上げているのでは、、、次も焼き物のために、、
焼き魚
鯉の燻豚脂焼、松の実風味、若牛蒡筏焼、独活梅酢どり、 追い焼き 塩焼き
ベーコンとねぎの炒めた脂を鯉に塗って、卵黄とマユネーズを塗って、焼いた。。
若牛蒡(八尾牛蒡?)卵の入った、すり身の筏焼き
鯉の塩焼き、、これが意外においしいのです。焼いた感じは、どちらかというと、硬くなる感じで、でも、旨みが詰まるような感じ、河豚の身を塩焼きした感じに近いかな。コラーゲンが多いのか??
ご飯
若牛蒡ごはん、黒ゴマ
若牛蒡ご飯は上品にしあがってました。
香の物
田辺大根漬
菜っ葉菜漬
玉造黒門白瓜の奈良漬(といってはったような気がします。)
果物 いちご
究極の幸せな時間を過ごさせて頂きました。説明は走り書きなので間違えているかもしれないですが、まあ、いいでしょう。あとは、淀川うなぎとべっこうしじみの話がありました。実は、くるまできていたので、飲んでいないので、じっくり、食事しました。
食後運動がてらに、少し散歩です。いずれと思っていたので、夕陽丘のあたりを少し案内しましょう。
今日は一心寺から愛染橋までぐるっとまわって四天王寺に戻るまでのコース
逢坂です。天王寺七坂1
そこから、真田幸村戦死の安居神社
真田幸村絶命という地です。家康は一心寺の向うの茶臼山に陣を
天神坂 天王寺七坂2
たき坂
清水寺-京都の清水寺の滝を模した玉出の滝、清水の舞台も、通天閣方向を一望できます。-
清水坂-天王寺七坂3 横の清風高校は、江戸屈指の料亭浮瀬(うかむせ)のあと西鶴も蕪村もきたとか-
愛染坂-天王寺七坂4
大江神社
神社の境内には有名な 狛寅、阪神タイガースの優勝祈願
愛染堂-愛染さんお縁結びです。中の多宝塔は市内ただひとつの国宝だが、なかは次回-
娘の通う学校というか聖徳太子のたてた四天王寺のほうに戻りまして
なんとなく、地震のニュースで心いたいのを慰めるかのような小旅行です。
大江神社には桜が、、、
さあ、前に向って進みましょう。
春よ鯉です。
by zuitoshou | 2011-03-14 20:57 | 和食、すし